菅野ダム運用高度化の試行・検証について
2026/3/31
2026年3月11日
一般質問③ 菅野ダム運用高度化の試行・検証について
令和8年3月定例会 会議録より
◆福田吏江子
菅野ダム運用高度化の試行・検証についてお尋ねいたします。
企業局の令和八年度当初予算案において、渇水対策として菅野ダムの運用高度化に関する試行・検証を実施する予算案が計上されております。周南地域における慢性的な水不足の解消につながる実効性のある施策となることを、私といたしましても心から期待しているところです。
菅野ダムは、工業用水だけでなく、発電や環境保全といった多目的機能を有しており、地域の生活や産業を支える重要なインフラであると理解しております。
特に、周南コンビナート企業の皆様の自主的な節水の御努力により、上水や農業用水に影響が出ない運用が保たれていることは大変ありがたいことなのだと認識しております。企業の皆様が自主節水に追われることなく、持続可能で安定した操業を周南地域で続けていただけることを願っております。
今回の菅野ダム運用高度化は、地域の生活、産業、農業、発電、環境、経済の全体に配慮した水資源マネジメントであると捉えています。地域住民が安心して水道水を日常的に利用できること、断水や給水制限を回避できること、農作物の生育に必要な水が確保され、農業用水への影響を最小限に抑えられること、ダムの発電機能が安定的に稼働し、地域の電力供給や産業活動を支えること、河川の水量や生態系への負荷が過大にならず、自然環境の保全が図られること、渇水による生産停滞や事業損失を防ぎ、地域経済の持続性や雇用の安定に寄与すること、こうした多面的な視点を踏まえ、科学的根拠に基づく運用改善を行うことが、地域の持続可能性と安定性を支える鍵であると考えています。
国際的にも、AIや流入予測を活用して多目的ダムの運用を最適化する事例が増えています。
例えばですが、水不足が大きな課題となっていますカリフォルニア州では、都市用水、農業用水、発電のバランスを取りながら、渇水に強い運用の確立が検討されています。
このたびの試行・検証によって、運用高度化の技術的な視点だけでなく、地域社会や生活、農業、産業、河川環境への影響を実際に確かめる貴重な機会であり、地域に具体的な成果を示していただけることを心から期待しています。
そこでお尋ねいたします。
菅野ダムの運用高度化の試行・検証に当たり、周南地域の渇水リスクや既存の利水課題、発電への影響、さらに、周南コンビナート企業の自主節水に頼らず、持続可能で安定した操業が可能となる視点を踏まえ、具体的にどのような運用を想定され、気象予測や流入予測の高度化を活用した年間を通じた貯留水管理の最適化を図り、渇水耐性向上や発電安定化をどのように見込まれるのか、御所見をお伺いいたします。
◎企業局長
菅野ダム運用高度化の試行・検証についてのお尋ねにお答えします。
企業局では、工業用水を安定的に供給するため、水資源・渇水対策に取り組んでおり、とりわけ、水不足が慢性化している周南地区において、島田川工業用水道の整備や下松市からの応援給水など、様々な対策を実施してきました。
これらに加え、今年度からは、土木建築部と連携し、菅野ダムにおいて、水力発電等に活用できる貯留水を増やし、渇水対策にも資する、いわゆるダム運用高度化の導入について検討を進めているところです。
具体的には、菅野ダムの洪水調節容量に一時的に貯留した流水を、最新の気象予測技術を活用して緩やかに放流し、水資源の有効活用を図りながら、工業用水や発電などに利用してまいります。
この取組により、渇水の緩和や増電につながるものと考えており、利水面へ見込まれる効果等について、来年度、試行・検証を行うことにより、把握することとしています。
企業局としては、引き続き、関係機関等と緊密に連携し、菅野ダム貯留水の確保に努めるなど、周南地区の渇水対策の強化に取り組んでまいります。
