外遊びの充実のための大型サンシェード等による日陰づくりの推進について

2025/12/4

2025年12月3日

一般質問① 外遊びの充実のための大型サンシェード等による日陰づくりの推進について

 

 

令和7年11月定例会 会議録より

 

◆福田吏江子

 

外遊びの充実のための大型サンシェード等による日陰づくりの推進について、お尋ねいたします。

近年、夏の暑さが年々厳しさを増している中で、子育て世代の方々から「暑さで子どもの外遊びができない」というお声をよくお聞きいたします。

子どもは大人よりも背が低く地面からの照り返しを強く受けることから、体感温度が身長170cmの大人と比較して7℃も高くなるという調査結果があります。また、体温調整機能も十分に発達しておらず大人と比較すると汗をかく力が6割程度と体に熱がこもりやすい子どもたちの熱中症のリスクは大人以上に高いと言われています。

そのため、暑さをしのぎ、子どもたちの遊びや運動の機会を確保するための屋内の遊び場づくりにも力を入れていただきたいと考えておりますが、このたびは、子どもの外遊びをテーマにして質問いたします。

早稲田大学名誉教授で医学博士の前橋明氏が代表発起人を務められている「外あそび推進の会(子どもの健全な成長のための外あそびを推進する会)がまとめられた「外あそび効能の一覧」では、子どもの外あそびは、体力・運動能力の向上のみならず、目の近視の発症予防、進行抑制、骨の健康な発育、自律神経機能の強化、ストレスの軽減、うつ状態の改善、脳の発達による感情的発達および学習能力・社会的適応力の向上、安全能力の獲得が掲げられており、外あそびは、「子どもたちの発育・発達における身体的・社会的・知的・精神的・情緒的の5つの側面をバランスよく育むことに貢献すること」、そしてこれらの子どもの健康なからだ、健全な心、そして脳の発達は「ひいては創造力、前に踏み出す力、やり抜く力、意欲といった子どもたちの「生きる力」につながり、社会の未来に貢献する、自立した人間形成を助ける」のだと提唱されています。外遊びは、幼児教育・保育の根幹にかかわる大切な活動なのだと理解しております。

また、福岡県宗像市の玄海ゆりの樹幼稚園では、外遊びは子どもたちの成長に必要な活動であるという考えのもと、昨年6月に園庭に長さ25m、横幅30mの大型サンシェードを園独自で設置されたというニュースを拝見いたしました。

暑さから「命を守りたい」、しかし「外遊びはさせたい」という子どもたちの安全と成長の両方をかなえる方法として日差しを防ぐサンシェードの設置を決められたとのことでした。

番組の実測では、日向32℃に対し日陰は29℃と3℃の温度低下が確認され、副園長先生へのインタビューでも、以前は外遊びの時間を5分刻みで活動しなければならなかったが、サンシェード設置後は安全に外で遊べる時間がしっかり確保できるようになって良かったと述べられていました。

これは大変良い取組であると思い、各地の事例調査をしている中で、下松市の認定こども園 四恩幼稚園において、今年8月に園庭に大型サンシェードを設置されたという新聞報道を拝見し、実際にお伺いし視察をさせていただきました。

 園長先生のお話では、大型サンシェードの設置を決められたきっかけは、暑さ指数を計測する中で外遊びの中止をする日が増えてきたことや、毎年10月に行われている運動会の練習を9月にしているが運動会の練習もできない状況が続いていたことを踏まえ、外遊びの時間の確保のために設置されたとのことでした。四恩幼稚園の大型サンシェードは開閉式で長さ23m、幅12m、高さ6mで、高さもあることから開放感があり風も良く入り、また、園児を見守る先生方からも好評であることをお聞きいたしました。

保護者の方からも夏の暑い時期には、お子さんの日焼けを気にされることや外遊びが制限され室内の遊び場は場所や広さ、お金の面で子どもを十分に遊ばさせられないことへのご心配の声をお聞きすることが多いとのことで、子どもたちにはたくさん遊んでほしいと願われているとのことでした。

また、他県の幼稚園での大型サンシェード設置の状況もお聞かせくださり、宮崎県や福岡県など暑い地域が多い九州地方での設置が進んでおり参考にされたとのことで、開閉式の中にも電動式、手動式があり大きさや費用もさまざまあることを調べられ、物価も上がってきているので設置するなら早い方がよいと判断されたとのことでした。

視察の際に、園庭の大型サンシェードを実際に広げてくださり、ちょうど園児の子供たちがサンシェードでできた日陰の下で、体力測定の徒競走を元気に行っていました。

こうした中、先日、三重大学大学院博士前期課程2年の滝川真央さん、立花義裕教授らが、日本の夏だけ大幅に伸びていることを北半球の国々の気象データを解析し明らかにされました。研究によれば、日本はここ約42年間で夏の期間が約21.4日延びていることが報告されています。特に2024年の夏の期間は133日間、約4.2か月もの長さであり、実に一年の3分の1以上が夏となっていました。

環境省が公開する暑さ指数(WBGT)のデータにおいて、山口県内でも「運動は原則中止」に該当する値を示す日が増えていることが確認でき、外遊びが制限される状況が徐々に強まっています。夏の暑さは、気温の上昇もですが、期間も長くなっているのです。

さらに、都市環境工学を専門とする武蔵野大学の三坂育正教授は、インタビューにおいて、「暑熱環境に適応したまちづくりは、単に熱中症対策をすることにとどまらない、地域活性化につながるまちづくりであるべき」と示され、「昨今の熱中症対策は、エアコンを使う、水分補給する、外出を自粛する、日傘を差すといった「個人でできる取り組み」が多くを占めている。しかしこれからは、暑さ対策を「個人がするもの」から一歩進んで、地域に活力をもたらす大きな可能性を持つ取り組みであるという新たな視点が必要」であることを指摘されています。猛暑による屋外での活動の制限が、仕事や教育活動、買い物、イベント、遊びなど日常生活の様々な場面に影響し、コロナ禍で経験したように、行動の制限が社会活動や経済活動の停滞につながることを示されています。

これらのことから、暑さへの対策を個人個人の対策とともに、社会全体で、まちづくりとして取り組んでいくことが発展的な地域活性化へと繋がると考え、子どもたちが、自由にのびのびと思い切り体を動かせる外遊びの確保と安全対策としての日陰づくりは必要な取組であると考えます。

県が整備された山口きらら博記念公園内にあります大型複合遊具広場には日除け施設やミストが設置されており、利用された子育て世代の方からとても良かった、県内のほかの公園にも広がってほしいというお声をお聞きします。

そこでお尋ねいたします。

子どもたちが安心して遊べる環境づくりが県内全域に広がっていくように、遊び場における日陰づくりを推進していただきたいと考えますが、県として、どのようにお考えでしょうかご所見をお伺いいたします。

◎健康福祉部長

外遊びの充実のための大型サンシェード等による日陰づくりの推進についてのお尋ねにお答えします。

外遊びを含め、子どもたちの遊びは、心身の健やかな発達を促し、社会性や創造性を育むなど、健全育成を図る上で、重要な役割を担っているものと考えています。

しかしながら、近年の気候変動の影響等により、熱中症による健康被害が数多く報告されていることから、安心して遊べる環境づくりは、暑さ対策等、安全面に考慮しながら進めることが必要です。

このため、県が管理する山口きらら博記念公園では、大型複合遊具広場「きららんど」において、日除け施設等を整備したところであり、こうした取組が県内の他の公園を整備する際の参考となるよう、市町に対し情報提供や助言を行っています。

 また、保育所等が、多様性に配慮したインクルーシブ遊具の整備にあわせ、木陰テントやサンシェードを設置する場合に、その費用の一部を支援しています。

議員お示しの、大型サンシェードは、日陰をつくり、熱中症予防としての一定の効果が見込まれる一方、設置する場合の経費が高額となるなど課題もあり、子どもたちの遊びの環境づくりは、現状では、それぞれの施設に応じて、とり得る暑さリスクの軽減策を進めることが必要と考えています。

このため、県では、保育所等に対して、各施設が安心安全な遊びを提供できるよう、暑い時間帯を避ける、屋外で過ごす時間を短くするほか、こまめな水分補給や通気性の良い服の着用を推奨するなど、留意事項をまとめた通知の発出などにより、指導助言を行っているところです。

県としましては、今後とも、市町や関係機関と連携して、子どもたちが安心して遊べる環境づくりに取り組んでまいります。

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