南海トラフ地震に備えた広域応援体制等の実効性について
2026/3/31
2026年3月11日
一般質問⑤ 南海トラフ地震に備えた広域応援体制等の実効性について
令和8年3月定例会 会議録より
◆福田吏江子
南海トラフ地震に備えた広域応援体制等についてお尋ねいたします。
本日3月11日、東日本大震災の発生から15年を迎えました。毎年この日を迎えるたび、被災された方々の声を報道でも多く目にいたします。被災された方々が当日どのような状況の中におられたのか、どれほどの不安や恐怖、悲しみ、絶望の中におられたか、そしてその後の日々を懸命に歩んでこられたか、かけがえのないお一人おひとりの人生と命の尊さを深く思います。震災により尊い命を失われた多くの方々に心より深い哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の皆様、そして被災されたすべての方々に、改めてお見舞い申し上げます。
そして、今後30年以内に高い確率で発生が想定されている南海トラフ地震は、西日本一帯が同時に被災する未曽有の広域災害となる可能性が指摘されております。
本県においても、津波被害に加え、広域停電、物流網の寸断、燃料不足など、社会経済活動の根幹を揺るがす深刻な影響が懸念されております。
とりわけ本県は三方を海に囲まれ、瀬戸内海側と日本海側の双方に港湾を有する地理的特性を持つ一方、陸路が寸断された場合の孤立リスクも現実的な課題であります。こうした状況下において、県庁をはじめとする行政機能が停止することは、県民生活に直結する重大な問題であると理解しております。
国においては、災害時に被災自治体を支援する「対口(たいこう)支援」など、応援自治体の割り当てを含む広域応援の枠組みが整備されていると承知しております。しかしながら、南海トラフ地震のような広域同時被災においては、応援を想定されている側の自治体自体が被災する可能性も否定できません。本県は被災県となる可能性と同時に、他県を支援する応援県としての役割も担うという「二つの責任」を前提に備える必要があります。
したがって、自県の安全と行政機能を守り抜くための人的・物的資源の確保と、広域同時被災を前提とした現実的な広域応援体制の確立は、本県にとって極めて重要な課題であると考えます。
そこでお尋ねいたします。
南海トラフ地震による広域同時被災を具体的に想定したうえで、本県の行政機能の確保および広域応援体制をどのような基本方針のもとに構築し、その実効性をどのように検証し、改善を図っていくお考えでしょうか、ご所見をお伺いいたします。
◎総務部長
南海トラフ地震に備えた広域応援体制等の実効性についてのお尋ねにお答えします。
高い確率での発生が懸念される南海トラフ地震については、本県が見直しを進めている独自の被害想定においても、人的・建物被害や、ライフライン等に大きな被害が生じることが示されると同時に、行政機能への影響も危惧されるところです。
このため、発災時に、本県の行政機能を適切に確保することに加え、被災県への応援を機動的に実施できるよう、あらかじめ実効性のある広域応援体制を構築しておくことが重要であると認識しています。
具体的には、まず、行政機能の確保については、速やかに災害対応に当たるとともに、県民生活等に必要な業務を継続する体制を整備するため、平成24年に「山口県業務継続計画」を策定し、南海トラフ地震の被害想定も踏まえながら、適宜、見直しを行ってきたところです。
本計画では、災害に伴う応急業務や優先度の高い通常業務を特定し、これらを継続するための執行体制の確保や、電力・通信等の執務環境維持に必要な対策等を定めており、これに基づき、発災直後から行政機能を適切に確保することとしています。
次に、広域応援体制については、全国知事会等の枠組みと併せ、地域ブロック単位でも災害時における協定を締結し、相互に応援できる体制を構築しています。
こうした中、昨年3月、国において「南海トラフ地震における応急対策職員派遣制度アクションプラン」が策定され、主として応援を受ける「重点受援県」、発災直後から応援を行う「即時応援県」、自県の被害状況に応じて応援の可否を判断する「被害確認後応援県」が定められました。
本県は、「被害確認後応援県」に位置付けられ、南海トラフ地震の発生後は、自県の災害対応を優先した上で、応援が可能な場合には、国等の調整に基づき、被災県の支援を行うこととなります。
この新たなプランを踏まえ、国や近隣県等と定期的に合同訓練を実施し、課題の把握や実効性の検証を行うなど、機動的な応援体制の構築を図ることとしています。
県としては、今後も、本県の行政機能の確保はもとより、国や近隣県等と連携を図りながら、広域応援体制を構築すること等により、南海トラフ地震への対策を一層強化してまいります。
