個別避難計画の作成促進に向けた市町への支援について

2025/9/25

2025年9月25日

一般質問① 個別避難計画の作成促進に向けた市町への支援について

   

令和7年9月定例会 会議録より

◆福田吏江子

 はじめに、個別避難計画の作成促進に向けた市町への支援についてお尋ねいたします。

 本年8月10日に山口県を含む九州北部地方で線状降水帯が発生し、県内では土砂災害警戒情報や避難指示が発令されました。 県におきましては速やかに災害対策本部を設置され、県内各地の状況を各部局や関係機関との連携のもと情報収集、情報共有に努められるとともに宇部市への災害救助法適用などさまざまな災害応急対策にあたられました。

 このたびの大雨で被災された皆様に心からお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復旧と被災された皆様への救済対策が進むことを望みます。 このたびの大雨で、県内では警戒レベル4の避難指示、警戒レベル3 の高齢者等避難が発令され、県全体で避難対象者世帯が324,287世帯、避難対象者は645,195名となり、そのうち、478世帯735名の方が避難されました。

 災害時に自力避難が難しい高齢者や障害者などの「避難行動要支援者」が円滑かつ迅速にそして安全に避難できるよう、避難場所や避難支援者、具体的な避難方法をまとめた個別避難計画の作成が、令和3年5月の改正災害対策基本法の施行から市町村の努力義務とされています。

 しかしながら、全国的に個別避難計画の作成は十分に進んでいないのが現状です。計画作成には福祉の専門的な知識とともにご本人との関係構築や地域住民・団体との調整などに多くの時間と人的資源が必要であり、また、地域ごとに特性や課題の多様性がみられることが主な要因として考えられ、個別避難計画の作成を加速させるためには、防災と福祉の連携による計画作成を目指し、福祉専門職の参画を促す仕組みづくりや、デジタル技術を活用した情報共有の効率化などが重要視されています。

 内閣府では令和 5 年度に、加速化促進事業等、計画作成の取組が進まない市町村を個別に支援し、取組の加速化を図るとともに、制度の一層の定着を図るため、都道府県における市町村支援のノウハウの蓄積や普及を目的としたモデル事業 を実施しています。 内閣府 (防災担当) の令和5年度個別避難計画作成モデル事業報告書には、「個別避難計画は、作成すること自体が目的ではなく、作成するまでの過程により、人のつながりが生まれ、関係者の防災意識が向上し、命を守るため、実効性ある避難支援につなげることが大切」であることも示されています。 個別避難計画の作成は、一人ひとりの命をつなぐものとして、防災意識の醸成が図られるとともに地域全体の防災力の向上につながる重要な取組であると考えます。

 そこでお尋ねいたします。

 山口県全体や、県内各市町の個別避難計画の作成率はどのような状況であり、その状況を踏まえ、計画の作成促進に向けた各市町への支援について、どのように取り組まれているのか、お伺いいたします。  

◎部長

 まず、個別避難計画の作成促進に向けた市町への支援についてのお尋ねにお答えします。 災害から命を守るためには、円滑かつ迅速に避難することが必要であり、 自力で避難することが困難な高齢者や障害者等が確実に避難できるよう、市町における個別避難計画の作成を促進することが重要です。 本年4月時点の計画作成率は、全国平均14.0%に対し、本県全体は14.5%となっており、市町ごとには、ばらつきが見られる状況です。

 県では、これまでにすべての市町を個別訪問し、外部団体も含めた防災・福祉担当者を一堂に集め、現状や課題、今後の取組方針等を共有し、役割分担を明確化する等の助言を行うとともに、 国の制度を活用した福祉専門家の派遣など計画作成の支援を行ってきたところです。

 こうした取組を進めていく中で、市町では、マンパワーの確保や防災と福祉部局間の連携強化が大きな課題となっていることを踏まえ、この分野に重点的に支援することとしています。 具体的には、マンパワー不足への対応として、県・市町共通の被災者支援に関するシステムに、本年度から作成対象者の迅速な抽出や計画への自動入力、部局間での進捗状況の共有等を可能とする新たな機能を追加するとともに、デジタル技術を活用した業務の効率化にも取り組んでいます。

 また、市町の関係部局等の連携強化を図るため、個別訪問で把握したそれぞれの課題等に対し、参考となる先進事例や横展開が可能な取組等を紹介する合同研修会を開催するなど、市町の主体的な取組を伴走型で支援しているところです。

 県としては、今後とも、避難行動要支援者を地域で支え合う仕組みづくりが進むよう、市町における個別避難計画の作成を支援し、地域全体の防災力の向上を図ってまいります。  

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