2023年12月7日
一般質問④ 山口県立東部高等産業技術学校について
山口県立東部高等産業技術学校とは・・地域産業の技術ニーズに沿った人材を育成することにより、職業の安定と労働者の地位向上を図るとともに、地域社会への貢献や地域振興に資することを目的としている。
周南地域では、コンビナート・製造業が基盤産業であり、昨今の人手不足の中で、セカンドキャリアやキャリアアップのための資格取得による新たなスペシャリストの育成は重要です。
さらに、今後を見据え、
- 成長分野である半導体や蓄電池の人材育成や化学分野の訓練課程について本施設で設置検討できないか。
 - 工場内でもドローン活用のニーズは広がっており、ドローンの免許を取得できる訓練を実施することも検討できないか。
 
県として、今後の東部高等産業技術学校をどのように考えるか、見解を伺います。
山口県立東部高等産業技術学校のWEBサイトはこちら↓
産業労働部長の答弁
周南地域に位置する東部校では、化学分野をはじめとする製造業のニーズに対応できるよう、プラントの設計・製造やメンテナンスを中心に、技術の習得や関連資格の取得、キャリアアップを目指して、多様で効果的な訓練を実施しています。
また、近年の機械加工分野におけるデジタル化の進展や、地元企業からの要望を踏まえ、本年度、東部校に機械デジタル科を設置したところであり、デジタル革新に対応できるものづくり人材の育成に取り組んでいます。
- お示しの半導体・蓄電池分野については、今後、人材不足が懸念されることから、本年設置した「やまぐち半導体・蓄電池産業ネットワーク協議会」に参画している高等教育機関との役割分担を踏まえ、東部校での関連部品の製造技術などの訓練について検討してまいります。
 - 現場におけるデジタル技術の基礎知識の一環として、ドローン活用に係る研修を実施しています。ドローン免許の取得に向けては、今後、地元企業や離職者等のニーズを踏まえながら、必要な対応について検討してまいります。
 
令和5年11月定例会 会議録より
◆福田吏江子
山口県立東部高等産業技術学校について質問をいたします。
先日、周南市に所在する東部高等産業技術学校へお伺いいたしました。本施設での取組について概要説明を頂き、また何人かの訓練生からのお話もお聞きすることができました。このたびの訪問に当たってご対応いただきました校長をはじめ、職員の皆様に重ねて御礼申し上げます。
県立東部高等産業技術学校は、その設置目的として、職業能力開発促進法に基づく職業能力開発校として設置され、中学校、高等学校あるいは短大や大学の新卒者や離転職者及び在職者を対象として、地域産業の技術ニーズに沿った人材を育成することにより、職業の安定と労働者の地位向上を図るとともに、地域社会への貢献や地域振興に資することを目的としていますとあります。
本県の経済を支えるものづくりの技能を習得し、地域産業界の多くの現場で即戦力となれる人材の育成をされており、また在職者に対しても様々な資格を取得するための講義を開設されており、業務に必要な技能や資格取得によるキャリアアップ支援をするため、事業所からの推薦もあるなど好評であると状況をお聞きいたしました。
訓練課程においても、本年4月より、これまでの機械加工科から機械デジタル科へと変更され、デジタル活用による機械加工オペレーションの習得を軸に、3Dプリンターなど、製造現場でのデジタル活用力につながる関連知識や機器の自動制御と関連ある国家資格第二種電気工事士を取得できるという説明を受け、今日の製造業現場で必要とされているコンピューター制御のオペレーションスキルに対応する訓練内容にアップデートされていることも本施設の強みの一つであると思いました。
また、施設見学の途中で、溶接技術科を受講されている女性の訓練生からお話をお伺いさせていただきました。その方は、前職は事務員として働かれていたのですが、手に職を持ち正社員として働きたい、資格を取りたいという気持ちから本校を学ばれているとのことでした。
これまでと全く異なる分野であっても希望するキャリアに向かうことができることは、セカンドキャリアを考えている方にとって不安を払拭するものであり、本施設でしっかりしたカリキュラムがあるからこそだと感じました。
また、自動車整備課で訓練を受けている新卒者10代の4名の方々からもお話をお伺いいたしました。岩国市や周南市などから自動車整備士を目指して入校されており、その日はブレーキの整備の訓練に取り組まれていたのですが、とても楽しいというお話をしてくださり、また訓練生と先生との関係もよいもののように思いました。
全体を通して、本施設は、求職者の方を対象としていることは基本ではありますが、決して個人のセーフティーネットのためだけではなく、本県の産業に資する人材育成の場としての重要な役割を担っているのだという印象を持ちました。本施設がさらに今後の地域産業の発展を見据えた取組を充実させていくことが必要であると考えます。
特に周南地域では、コンビナート・製造業が基盤産業であり、昨今の人手不足の中で、セカンドキャリアやキャリアアップのための資格取得による新たなスペシャリストの育成は重要であると考えます。
さらに、今後の成長分野である半導体や蓄電池の人材育成や化学分野の訓練課程について本施設で設置検討することは、より地域の産業発展に資する取組になると考えます。
また、工場内でもドローン活用のニーズは広がっており、警備や防災目的での夜間巡回監視や煙突内部の点検などで活用されていることから、ドローンの免許を取得できる訓練を実施することも検討できないでしょうか。
県として、今後の東部高等産業技術学校をどのようにお考えでしょうか、ご見解をお伺いいたします。
◎産業労働部長
山口県立東部高等産業技術学校についてのお尋ねにお答えします。
労働力人口の減少が進む中で、地域産業の持続的な発展を図るためには、地元企業の人材ニーズを踏まえた質の高い産業人材を育成し、県内就職につなげることが重要です。
このため、高等産業技術学校において、地元企業のニーズを踏まえ、新卒者や離転職者等を対象に職業訓練を実施し、多くの優れた産業人材を地域に輩出しています。
具体的には、周南地域に位置する東部校では、化学分野をはじめとする製造業のニーズに対応できるよう、プラントの設計・製造やメンテナンスを中心に、技能の習得や関連資格の取得、キャリアアップを目指して、多様で効果的な訓練を実施しています。
また、近年の機械加工分野におけるデジタル化の進展や、地元企業からの要望を踏まえ、本年度、東部校に機械デジタル科を設置したところであり、デジタル革新に対応できるものづくり人材の育成に取り組んでいます。
さらに、現場におけるデジタル技術の基礎知識の一環として、ドローン活用に係る研修を実施しています。
ドローン免許の取得に向けては、今後、地元企業や離職者等のニーズを踏まえながら、必要な対応について検討してまいります。
お示しの半導体・蓄電池分野については、今後、人材不足が懸念されることから、本年設置した、やまぐち半導体・蓄電池産業ネットワーク協議会に参画している高等教育機関との役割分担を踏まえ、東部校での関連部品の製造技術などの訓練について検討してまいります。
県としては、今後も社会変化や地域の要望・ニーズに的確に対応し、訓練科の見直しや訓練内容の充実を図りながら、地域で必要とされる優秀な人材を育成して、地域産業の発展に貢献できるよう取り組んでまいります。
         
    





       
       
       
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