一般質問

効率的・合理的な交通事故捜査について

2025年6月26日

一般質問④ 効率的・合理的な交通事故捜査について

交通事故が増加する中、事故防止を前提として、科学的捜査の推進や事故分析の高度化等により捜査力を強化するとともに、捜査員の業務の効率化や合理化も重要と考えます。

【他県での導入事例としては…】 ☞警視庁や福岡県警では、モバイルマッピングシステムを導入し、現場での測量や見取り図の作成時間が短縮され、渋滞緩和や警察官の負担が軽減したとの報道を目にしました。交通規制による渋滞の発生は、市民生活に影響を及ぼし、捜査員の安全面の面からも正確で迅速な測量は重要と考えます。

事故現場操作・データ取得
  ⇩
真相を解明
  • 事故発生の原因を分析
  • 過失は何かといった分析
  ⇩
安全安心な交通社会の実現へ

(道路改良や安全対策)

県警察では、安全安心な交通社会実現のための効率的・合理的な交通事故捜査に向けて、今後どのように取り組まれるのか、ご所見をお伺いします。

警察本部長の答弁

近年の交通事故事件捜査は、防犯カメラやドライブレコーダー等の映像捜査、データ解析など、客観的かつ科学的な捜査の重要性が増し、捜査事項は複雑多様化しており、より効率的かつ合理的な捜査が必要となっています。

当県においては、現場見取図が作成できる3Dレーザーシステムを平成25年から導入しており、現在2式を運用しています。本システムは、道路形状だけでなく、屋内や車内の撮影も可能であることから、交通部門以外の事件捜査でも活用し、業務の効率化を図っております。

なお、業務の効率化の観点から、本年度より、交通指導課の交通の鑑識係を警察本部及び東部・西部の警察署に配置するなどの体制を見直し、これに伴い、本システムの運用の効率化も向上しております。

また、事故捜査で得られた事故原因等の情報については、GISで分析するなど、交通事故分析の高度化を図り、交通指導取締りや交通規制などにも活用しております。

今後、こうした取組を継続することに加え、3Dデータで事故状況を再現するソフトウェアにより、視覚的な資料を作成するなど、効率的・合理的な交通事故捜査に努めてまいります。

 

令和7年6月定例会 会議録より

福田吏江子

効率的・合理的な交通事故捜査についてお尋ねいたします。

山口県では、「山口県交通安全実施計画」に基づき、段階的かつ体系的な交通安全教育の推進や交通安全の普及啓発活動の推進、道路交通環境の整備、交通指導取締り等による道路交通秩序の維持などに取り組まれ、安全で安心な交通社会の実現を目指しております。

県民の皆様の命を守るため道路交通の安全に向け日々従事されている皆様に心から敬意を表する次第です。

都道府県警察の交通安全施策に関する計画の作成の基準となるべき事項が定められている国家公安委員会・警察庁の「交通安全業務計画」には、「人命尊重の理念の下に、安全で快適な交通社会を実現することを目標として、交通事故の発生状況等を十分に分析した上で、道路交通環境の整備、交通安全思想の普及徹底、安全運転の確保、道路交通秩序の維持等の各種施策を一層総合的かつ強力に推進するものとする。」とあります。

交通事故の発生状況を分析する交通事故捜査は、事故発生の原因究明とともにさらなる不幸な交通事故をなくすための重要な仕事であると考えます。

昨年、山口県では51名の方が交通事故により亡くなられています。一昨年の35名から1.5倍に急増しており、2年連続での増加傾向であり、50名を超えることは2018年以来であるということ、人口10万人あたりの死者数が3.93人であり全国で3番目に多かったという報道も目にいたしました。また、本年6月11日現在での交通事故発生状況を見ますと、概数となっていますが、前年同期よりも人身事故件数は70件、負傷者数も100人余り増えている状況です。このような状況において、交通事故そのものをなくしていくという思いが前提ですが、交通事故の科学的捜査の推進や事故分析の高度化等による捜査力の強化とともに限られた人員の中で従事する捜査員の業務の効率化や合理化も重要であると考えます。

警視庁や福岡県警において、交通事故現場の測量の迅速化につながるモバイルマッピングシステムを導入されている記事や報道を目にいたしました。モバイルマッピングシステムあるいはモービルマッピングシステムとも言われていますが、これは、車両に各種計測機器を搭載して走らせながら道路面や道路周辺の高精度の3次元空間情報を迅速かつ包括的にデータを取得する測量システムです。

昨年の福岡県警導入時の報道によりますと、現場での測量の時間がこれまでよりも約10分の1に短縮され、また事故現場の見取り図の作成も約4分の1の時間で完成するとのことでした。さらに、警視庁や福岡県警の担当課へのそれぞれのインタビューにおいても、測量の現場によってはそもそも交通規制をしなくてもすむケースも出てくるなど道路交通への影響を最小限に抑えることでの渋滞の緩和や交通規制にあたる警察官の負担も軽減されるという点も導入のメリットとして挙げられています。

交通規制による渋滞の発生は多くの人の生活に影響を及ぼすものであると考え、また捜査員の安全性の面からも正確で迅速な測量は重要な視点であると考えます。

また、事故現場における包括的なデータの取得とその分析は、より効果的な交通事故防止対策に向けた道路改良や安全対策にもつながると考えます。捜査をして、なぜ事故が起きたのか、過失は何かなど真相を解明し、その判明した内容をもとに起きた事故原因や道路の形状や場所、明るさなどの分析、対策へとつなげていくという考えです。

前述の「交通安全業務計画」におきましても「交通事故分析の高度化等及び道路交通の安全、円滑等に関する研究の推進」が示されているところです。

山口県警においても、交通事故捜査のための「3D動画」を作成するソフトウエアの開発に取り組まれるなど交通事故の科学的捜査、事故分析の高度化に取り組まれていると理解しているところですが、安全で安心な交通社会実現のための効率的・合理的な交通事故捜査に向けて、さらに今後どのように取り組まれていかれるでしょうか。

ご所見をお伺いいたします。

 

知事

次に、効率的・合理的な交通事故捜査についてお答えいたします。

近年の交通事故事件捜査は、防犯カメラやドライブレコーダー等の映像捜査、データ解析など、客観的かつ科学的な捜査の重要性が増し、捜査事項は複雑多様化しており、より効率的かつ合理的な捜査が必要となっています。

そうした中、捜査員の業務負担の一つとして現場見取図の作成が挙げられることから、事故現場を走行しながら道路形状等を計測し、得られた測量データを基に現場見取図が作成できるモービルマッピングシステムが、他県において導入されていることは承知しております。

当県においては、現場見取図が作成できる3Dレーザーシステムを平成25年から導入しており、現在2式を運用しています。
本システムは、道路形状だけでなく、屋内や車内の撮影も可能であることから、交通部門以外の事件捜査でも活用し、業務の効率化を図っております。

なお、業務の効率化の観点から、本年度より、交通指導課の交通鑑識係を警察本部及び東部・西部の警察署に配置するなどの体制を見直し、これに伴い、本システムの運用の効率化も向上しております。

また、事故捜査で得られた事故原因等の情報については、GISで分析するなど、交通事故分析の高度化を図り、交通指導取締りや交通規制などにも活用しております。

今後、こうした取組を継続することに加え、3Dデータで事故状況を再現するソフトウェアにより、視覚的な資料を作成するなど、効率的・合理的な交通事故捜査に努めてまいります。

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