2024年12月4日
一般質問④ (3)菅野ダムの運用高度化について
周南地域における工業用水の節水は、企業活動に影響する大きな課題です。
洪水期の6月15日~9月30日の間(108日間)は利水容量の制限あり。
⇨ユーザー企業の自主節水が開始されやすい状況に。。
利水容量の引き下げは、治水の観点から台風や大雨に備えての対策として必要であることだが‥
『アンサンブル気象予測技』を利用することで、
平常時は利水容量の水位を高く維持し、洪水予測時には流入量予測などから1週間程度前からの事前放流が実現できる。➡【治水・利水に効果的な管理ができる】
この考え方に基づき、現行の洪水期における貯水量制限の見直しと工業用水の安定供給への柔軟な運用が検討可能と考えますが、カーボンニュートラル社会を見据えた工業用水確保にも資する菅野ダム運用高度化について、ご所見をお伺いいたします。
土木建築部長の答弁
県では、流域住民の生命・財産を守り、地域産業の発展に資するため、多目的ダムを整備し、ダム操作の基本原則を定める操作規則を作成した上で、これに基づき適切に運用しているところです。
お尋ねの「ダム運用高度化による流域治水能力向上と再生可能エネルギー増強の加速化プロジェクト」において、国は、降雨予測の精度向上と、降雨予測の不確実性のリスクを考慮したダム運用について課題があることから、徹底的に試行を重ねた上で、ダム運用高度化技術の開発や標準仕様の策定、ルール作り、リスク管理手法などの検討・開発を進めるとされています。
ダムの運用高度化については、ダムの有するポテンシャルの最大限の活用が図られ、流域全体の治水機能の向上や、カーボンニュートラル等の施策への貢献につながるとされており、県としては、菅野ダムへの適用について、国の動向等を注視しながら、企業局等とも連携し、その可能性について検討することとしています。
令和6年11月定例会 会議録より
◆福田りえこ
(3)菅野ダムの運用高度化についてお尋ねいたします。
工業用水の確保については、6月定例会一般質問においても質問させていただきましたが、周南地域における工業用水の節水は企業活動に影響する大きな課題と認識していることからも、再度質問いたします。
周南市に位置する菅野ダムは、利水容量が91,200,000(9120万)㎥(立方メートル)で、11月19日現在での貯水量は、80,846,200(8084万6200)㎥、貯水率88.6%となっております。しかしながら、洪水期の6月15日から9月30日の間は、利水容量を74,200,000(7420万)㎥に制限されております。この時期は、特にユーザー企業の自主節水が開始されやすい状況にあると認識しております。そして、利水容量の引き下げは、治水の観点から台風や大雨に備えての対策として必要なことであるということも理解しているところです。
しかしながら、複数のユーザー企業の方に工業用水の自主節水についてお話をお聞きする中で、「周南地域はすぐに節水になるが、近年、気象予測の精度も上がってきており、台風なども前もってわかることから水がたまったら放流して、すぐに水位を落とすのではなく、AIなどを駆使して、できるだけ水位を高くできないでしょうか、運用の見直しを検討いただきたい。」というご意見をいただきました。
このことについて、どのような解決方法があるだろうかと私なりに勉強し調べてみましたところ、国土交通省の「ダム運用高度化による流域治水能力向上と再生可能エネルギー増強の加速化プロジェクト」において、長時間降雨予測と流入量予測に高度技術を導入するダムの運用高度化により、治水機能の強化や水力発電の増電を図るハイブリッドダム施策の社会実装の加速化への提案がなされていることを知りました。
このプロジェクトの報告書によりますと、アンサンブル気象予測技術を利用することで、平常時は利水容量の水位を高く維持する弾力的な管理を行い、洪水予測時には、ダム流域への正確な流入量予測などから貯留容量を最大化する事前放流を数日から一週間程度前から実現することができるとあります。このことは、治水にとっても利水にとっても、より効果的な管理ができると考えます。
このプロジェクトの考え方に基づいて、現行の洪水期における貯水量制限の見直しと工業用水の安定供給への柔軟な運用を検討できないかと考えました。
カーボンニュートラル社会を見据えた工業用水確保にも資する菅野ダム運用高度化を求めたいと考えます。ご所見をお伺いいたしまして、私の一般質問といたします。
◆部長
次に、菅野ダムの運用高度化についてです。
県では、流域住民の生命・財産を守り、地域産業の発展に資するため多目的ダムを整備し、ダム操作の基本原則を定める操作規則を作成した上で、これに基づき適切に運用しているところです。
お尋ねの「ダム運用高度化による流域治水能力向上と再生可能エネルギー増強の加速化プロジェクト」において、国は、降雨予測の精度向上と、降雨予測の不確実性のリスクを考慮したダム運用について課題があることから、徹底的に試行を重ねた上で、ダム運用高度化技術の開発や標準仕様の策定、ルール作り、リスク管理手法などの検討・開発を進めるとされています。
ダムの運用高度化については、ダムの有するポテンシャルの最大限の活用が図られ、流域全体の治水機能の向上や、カーボンニュートラル等の施策への貢献につながるとされており、県としては、菅野ダムへの適用について、国の動向等を注視しながら、企業局等とも連携し、その可能性について検討することとしています。






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