一般質問

カーボンニュートラル施策の推進強化について①②

2024年12月4日

一般質問④ (1)徳山下松港港湾計画の見直しについて

徳山下松港港湾計画は、平成40年前半を目標年次として平成26年3月に改訂され、10年経過していますが、その間、大きく変化したことは、カーボンニュートラルの出現です。

徳山下松港港湾脱炭素化推進計画には、港湾脱炭素化推進計画と港湾計画の整合を図るとともに、必要に応じた港湾計画の見直しについてお示しされていますが、今後の徳山下松港港湾計画の見直しについてはどのように考えているか、ご所見をお伺いいたします。

(2)徳山下松港の新たな用地の確保について

近年、バイオマスなど取扱貨物量の増加から、徳山地区晴海埠頭では船舶の滞船が特に著しい状況にあります。このままでは、荷主のとって生産性も低く他の港へと船が逃げてしまう可能性もあり将来的な損失は計り知れない状況です。

すでに、バースとヤードが不足していることから、将来カーボンニュートラルを進めるにあたって深刻な用地不足に陥るのだと思います。現在の港湾計画に沿った港湾整備と埋め立てが、計画的に着実に推進されることを要望いたします。

土木建築部長の答弁

県では、現行の港湾計画に沿って、国際バルク戦略港湾施策により、当面のベースエネルギーである石炭に加え、取扱量が急増しているバイオマスにも対応した施設整備を進めているところです。

また、企業は水素・アンモニアの活用等、更なる脱炭素化に向けた取組を進めており、これらを踏まえ、県としても、港湾脱炭素化推進計画と現行の港湾計画との整合を図りながら、必要となる港湾施設の整備について検討を行うなど、脱炭素化に向けて取り組んでいくこととしています。

県としては、脱炭素化に向けた技術の進展を踏まえた企業の取組の具体化や、取扱貨物の変化等の動向を注視し、今後、港湾計画の見直しが必要となった際には、適切に対応してまいります。

 

令和6年11月定例会 会議録より

福田りえこ

カーボンニュートラル施策の推進強化についてです。

まず、(1)徳山下松港港湾計画の見直しについてお尋ねいたします。

徳山下松港港湾計画は、平成26年3月に改訂され、平成40年代前半を目標年次としております。

現在、改訂から10年経過いたしましたが、その間、社会的背景として大きく変化したことは、カーボンニュートラルの出現であると思います。

前回の改訂後に起こった新たな転換を受けて、既定の港湾計画においてもカーボンニュートラルの影響による見直しが必要なこともあるのではないだろうかと考えました。

例えばですが、港湾統計年報を基に県が作成した徳山下松港バイオマス取扱量の推移を見ますと、平成30年16万トンであったバイオマス取扱量は、令和4年に127万トンになっているなど、カーボンニュートラルに向けた取組の広がりは着実に出てきていることはご承知の通りと思います。

県の「徳山下松港港湾脱炭素化推進計画」には、“徳山下松港が引き続き石炭供給拠点としての役割を果たすことと併せて、需要が急増するバイオマスの供給体制の整備や、将来的に需要拡大が予想される水素、アンモニア等の次世代エネルギーの供給体制の構築に向けた取組など、西日本エリアの次世代エネルギー供給拠点港として、背後企業の国際競争力の維持・強化を支えるとともに、背後圏と一体となった徳山下松港のさらなる発展を目指す”と示されております。

その中で、“港湾脱炭素化推進計画と港湾計画の整合を図るとともに、今後、取扱貨物量の急増や新たな貨物の取扱等、状況が大きく変化した場合には、必要に応じて港湾計画の見直しを行うことしている。”とお示しされていること、さらに、令和5年3月に改定された「山口県地球温暖化対策実行計画」等や関連各企業等が策定される脱炭素化に向けた計画と整合を図っていく必要があることも併せて示されております。

そこでお尋ねいたします。

カーボンニュートラル施策が推進される中で、今後の徳山下松港港湾計画の見直しについてはどのようにお考えでしょうか。ご所見をお伺いいたします。

 

(2)の徳山下松港の新たな用地の確保についてです。

近年、バイオマスなど取扱貨物量の増加から、徳山地区晴海埠頭では船舶の滞船(────滞る船と書き、船を港湾などに停泊させることを指します)その滞船が特に著しい状況にあります。このことは、令和6年3月に策定された県の「徳山下松港港湾脱炭素化推進計画」の中にも記載されており、“取扱貨物量の増加に伴い、慢性的な船舶の滞船や横持ち輸送が発生しており、物流コスト及びCO2排出量の増加に繋がっているため、港湾施設・機能の拡充による物流の円滑化によるCO2排出量の削減が課題となっている。”と述べられているとおりです。

周南市が独自に調査した数値では、滞船の時間が2023年でおよそ5,000時間、2024年には、さらに滞船が増加する見込みと聞いております。このままでは、荷主にとって生産性も低く、他の港へと船が逃げてしまう可能性もあり将来的な損失は計り知れない状況なのだと考えます。これは徳山下松港特有の問題であるともお聞きしております。

特に最近は、労働者不足から夜通し作業ができる状況ではないこと、晴海埠頭は公共バースなので、いろいろな貨物の種類がある中で、先に到着した船舶から泊まり、それぞれの船がそれぞれのタイミングで入ってくること、これらに対応するバースとヤードが足らないことなど、様々な要因が重なって滞船という事象として表面化しているのだとお聞きしました。

すでに、バースとヤードが不足してきていることを考えますと、将来カーボンニュートラルを進めるにあたっては深刻な用地不足に陥るのだと思っております。

このことにつきましては、整備に大変な時間を要することからも、このたびは、(2)として通告をしておりましたが、質問ではなく要望に変えせていただき、現在の港湾計画に沿った港湾整備と埋め立てが、計画的に着実に推進されることを要望としてお願いさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 

土木建築部長

カーボンニュートラル施策の推進強化についての2点のお尋ねにお答えします。

まず、徳山下松港港湾計画の見直しについてです。

港湾計画は、港湾の開発、利用及び保全を行うにあたっての指針となる計画で、概ね15年後の港湾の姿を見据え、必要となる港湾施設の規模や配置等について、港湾管理者が港ごとに策定するものです。

現在の徳山下松港の港湾計画は、石炭バルク輸送船舶の大型化や、共同輸送に対応した物流機能の強化を図るため、岸壁や航路等の施設の整備に向けて、平成26年に改訂したものです。

県では、現在、この港湾計画に沿って、国際バルク戦略港湾施策により、当面のベースエネルギーである石炭に加え、取扱量が急増しているバイオマスにも対応した施設整備を進めているところです。

また、企業は水素・アンモニアの活用等、更なる脱炭素化に向けた取組を進めており、これらを踏まえ、県としても、港湾脱炭素化推進計画と現行の港湾計画との整合を図りながら、必要となる港湾施設の整備について検討を行うなど、脱炭素化に向けて取り組んでいくこととしています。

県としては、脱炭素化に向けた技術の進展を踏まえた企業の取組の具体化や、取扱貨物の変化等の動向を注視し、今後、港湾計画の見直しが必要となった際には、適切に対応してまいります。

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