一般質問

仕事と子育ての両立を支援する職場環境づくりについて

2024年6月27日

一般質問① 仕事と子育ての両立を支援する職場環境づくり

こどもや子育てにやさしい休み方改革キックオフシンポジウムが開催されました。中では「行政支援メニューを有効活用できるよう情報提供していくこと、子育てに直接関係する人以外にも伝え、みんなで発信していくことが必要」という意見もありました。

仕事と子育ての両立を支援する職場環境づくり制度の周知と浸透についてご所見をお伺いいたします。

山口県知事の答弁

若者の多くが共働きを前提とした人生設計を考えており、こうした若者の希望に適う就業環境を実現するためには、仕事と子育ての両立に向けた環境整備が促進されるよう、企業における働き方改革を推進することが重要です。

このため、私は、これまでも県内の労使団体、金融機関、大学、国、県などで構成する「やまぐち働き方改革推進会議」を立ち上げ、私自ら会長となり、優良企業やイクボスを表彰するなど、様々な普及啓発を進めてまいりました。

また、新たな取組である、次世代の主役となるこどもたちを社会全体でともに育てる“とも×いく”の推進においても、県内全ての市町長の参加の下、県と市町が一丸となって取り組むことを共同でアピールし、県内全域における気運の醸成を図ったところです。

さらに、“とも×いく”の取り組みを広げていくため、育休取得を推奨する企業の登録制度や、男性育休の取得実績に応じて支給する奨励金等、様々な施策を講じており、これらの支援策の周知と浸透を図ることにより、企業の職場環境づくりを力強く後押しすることとしています。

具体的には、経済団体等を通じ、県の支援制度の情報を確実に企業に届けるとともに、本年1月に開設した“とも×いく”ポータルサイトでの企業の取組の紹介や、県広報誌などを活用した情報発信により、県民に幅広く周知しているところです。

また、働き方改革支援センターによるアウトリーチ支援や、育休取得促進に関する相談に応じる民間アドバイザーの養成、経営者の意識改革に向けたセミナーの開催等を通じ、効果的な推進を図ります。

さらに、国においては、育休取得実績等が一定の要件を満たす企業が対象となる認定制度があることから、双方の制度の相乗効果が発揮できるよう、労働局と連携しながら、企業の自主的な取組を促進してまいります。

私は、今後とも市町や関係機関と連携し、仕事と子育ての両立が可能となる職場環境づくりを通じた働き方改革の推進に取り組んでまいります。

支援策の一例

令和6年度「働き方改革推進支援助成金」労働時間短縮・年休促進支援コースのご案内について
令和6年度両立支援等助成金のご案内について

やまぐち“いく×とも”応援企業マーク

共育てという意味と家族や地域社会、企業なども「ともに・もっと・いくじに・くわわって」という願いを込めており、年齢、性別を問わず、全ての人がこどもや子育て中の方々を応援することを示しています。

「くるみん」マーク

次世代育成支援対策推進法に基づき、仕事と子育ての両立を支援する企業として厚生労働大臣の認定を受けた企業に付与される「子育てサポート企業の証」です。
令和6年6月定例会 会議録より

福田吏江子

おはようございます。すずらんの会、福田吏江子です。通告に従いまして一般質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

初めに、仕事と子育ての両立を支援する職場環境づくりに係る制度の周知と浸透についてお尋ねいたします。

今月6日に、山口県健康づくりセンターにて、やまぐち子育て連盟と山口県主催による、こどもや子育てにやさしい休み方改革キックオフシンポジウムが開催されました。

村岡知事による開会挨拶の後、基調講演として、NPO法人ファザーリング・ジャパン代表理事の安藤哲也氏による、休み方改革で、こどもたちの未来を創るをテーマに御講演があり、その後、事例発表として、周南市にあります、株式会社はつもみぢ第十二代蔵元原田康宏氏による、子育てにやさしい職場環境づくり、そして愛知県教育委員会義務教育課課長尾本国博氏による、愛知県のラーケーションの取組が発表されました。

シンポジウム後半では、みんなで考える新しい休み方をテーマに、これまでの登壇者の皆様によるパネルディスカッションが行われました。

私も会場にて拝聴いたしましたが、休み方を変えると会社も子育ても変わるという村岡知事の思いや、山口県としての目指す社会の姿が伝わるシンポジウムであったように思います。

厚生労働省や内閣府のデータによりますと、共働きの世帯は増加の傾向が続き、夫婦のいる世帯全体の約7割に当たるとのことです。山口県においても、共働き世帯の割合は上昇しております。

このような社会変化の中で、山口県は、男女で育児・家事を分担し、共に希望に応じてキャリア形成と育児・家事の両立が可能となる社会を目指し、やまぐち″とも×いく″応援企業登録制度による育休取得の推奨に取り組まれております。

ユニセフ、国連児童基金が2021年に発表した報告書、先進国の子育て支援の現状には、日本の育児休業制度は世界1位という評価が報告されております。これは、OECD、経済協力開発機構とEU加盟国を対象に、各国の保育政策や育児休業政策を評価し順位づけしたものです。

子育て支援策全体としての日本の総合順位は41か国中21位でしたが、父親の育児休業が世界で最も長いことから、育休に関するランキングで1位となりました。また、父親と母親に認められた育休期間がほぼ同じ長さである唯一の国であるとのことです。

しかしながら、総合順位で41か国中21位と全体の真ん中辺りまでランキングが下がっている要因の一つに、父親の育休取得率が低いということが分析されております。

父親の育休は制度導入後から少しずつ取得率は高まってきておりますが、取得することになかなか伸び悩んでいる理由として、職場に迷惑をかけるのではないか、誰かの業務負担が重くなるのではないかという心配があるという声をお聞きいたします。

さらに収入やキャリアのことも含めて、男性が育休を取ることにまだ不安もあるのだと感じます。

男性育休の取得率について調べている中で、興味深いデータを見つけました。

それは、山口県警の男性育休の取得率が約7割であるということです。

警察組織といえば、圧倒的な男性社会で、安心・安全のため昼夜問わず事件・事故に対応されていることから、失礼ながらあまり家庭を顧みないというイメージを持っていたため、大変驚き、また感動いたしました。

その推移を見ますと、山口県警の男性育休取得率は、令和元年で4・2%、令和2年12・2%、令和3年14・4%でありましたが、令和4年では45・4%と急増し、令和5年12月末時点で67・3%まで向上されています。

さらに、育休期間も2週間以上の取得が約7割とのことです。

山口県警で育休取得が急増した背景には、育児休業支援要員派遣制度の導入があるとのことで、この制度のおかげで取得しやすくなったことは、育休取得率の向上や働きやすい職場環境整備におけるエビデンスの一つとして、一般にも広く有用であると思いました。

国においても、両立支援・女性活躍・働き方改革に関する支援制度として、厚生労働省のくるみん認定やえるぼし認定、両立支援等助成金、働き方改革推進支援助成金などのメニューがあります。

例えば、くるみんは、次世代育成支援対策推進法に基づき、子育てサポート企業として厚生労働大臣の認定を受けることができる制度です。従業員の雇用環境の向上が図られるだけでなく、くるみん認定は、現在、就職活動をしている学生や求職者の方にとっても企業選びをする中の指標の一つにもなっており、特に、女子学生を中心に評価されてきているというアンケート調査もありました。

そして、企業としても人材確保につながるだけでなく、この認定を受けると、こども家庭庁のくるみん助成金などの助成金の活用もでき、さらに仕事と子育ての両立を図るための環境整備に取り組むことができます。

毎月、労働局から県に対して案内リーフレットのお渡しをするなど、くるみんやえるぼしの周知のご協力を頂いているというお話もお伺いいたしましたが、山口県内におけるくるみん認定企業数は、令和6年5月31日現在で36社45件であり、より高い水準の取組を行い、プラチナくるみんの認定を受けた企業数は6社6件となっております。

このように国においても、県においても様々な支援や補助金制度のメニューがありますが、制度が充実していても、その制度が広く知られず活用されないままであれば、社会や職場の状況は変わりません。

さらに、制度が周知されていくことだけでなく、各事業所に合った職場環境づくりを構築していくためには、具体的に指南していくことも必要なのかもしれません。

このたびのシンポジウムのパネルディスカッションの中で、子育てをされている家庭のところには情報提供があるように思う。行政支援メニューをみんなが分かって有効に活用できるように、意識の啓発や情報提供を経済団体等を通じて各企業にも情報提供していくこと、子育てに直接関係する人以外にも伝えて、みんなで発信していくことが必要という意見もありました。

そこでお尋ねいたします。仕事と子育ての両立を支援する職場環境づくりに係る制度の周知と浸透について、どのようにお考えでしょうか、ご所見をお伺いいたします。

 

知事

福田議員のご質問のうち、私からは、仕事と子育ての両立を支援する職場環境づくりに係る制度の周知と浸透についてのお尋ねにお答えします。

若者の多くが共働きを前提とした人生設計を考えており、こうした若者の希望にかなう就業環境を実現するためには、仕事と子育ての両立に向けた環境整備が促進されるよう、企業における働き方改革を推進することが重要です。

このため、私は、これまでも県内の労使団体、金融機関、大学、国、県などで構成する、やまぐち働き方改革推進会議を立ち上げ、私自ら会長となり、優良企業やイクボスを表彰するなど、様々な普及啓発を進めてまいりました。

また、新たな取組である、次世代の主役となる子供たちを社会全体で共に育てる″とも×いく″の推進においても、県内全ての市町長の参加の下、県と市町が一丸となって取り組むことを共同でアピールし、県内全域における機運の醸成を図ったところです。

さらに、″とも×いく″の取組を広げていくため、育休取得を推奨する企業の登録制度や、男性育休の取得実績に応じて支給する奨励金等、様々な施策を講じており、これらの支援策の周知と浸透を図ることにより、企業の職場環境づくりを力強く後押しすることとしています。

具体的には、経済団体等を通じ、県の支援制度の情報を確実に企業に届けるとともに、本年1月に開設した″とも×いく″ポータルサイトでの企業の取組の紹介や、県広報誌などを活用した情報発信により、県民に幅広く周知しているところです。

また、働き方改革支援センターによるアウトリーチ支援や、育休取得促進に関する相談に応じる民間アドバイザーの養成、経営者の意識改革に向けたセミナーの開催等を通じ、効果的な推進を図ります。

さらに、国においては、育休取得実績等が一定の要件を満たす企業が対象となる認定制度があることから、双方の制度の相乗効果が発揮できるよう労働局と連携しながら、企業の自主的な取組を促進してまいります。

私は、今後とも市町や関係機関と連携し、仕事と子育ての両立が可能となる職場環境づくりを通じた働き方改革の推進に取り組んでまいります。

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