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地方におけるIT・AI活用法を考える

  • 地方自治体が抱える近未来の課題

○総務省 令和元年度「第32次地方制度調査会」論点

首相諮問:「人口減少が深刻化し高齢者人口がピークを迎える2040年頃から逆算し顕在化する諸課題に対応する観点から、圏域における地方公共団体の協力関係、公・共・私のベストミックスその他の必要な地方行政体制のあり方について、調査審議を求める」

総務省の「自治体戦略2040構想研究会」を下敷きにしている。課題の洗い出し、取り組みの方向性の提示(その際、しっかりとしたエビデンスを求められるため、根拠をもって政策立案をすること)、未来予測(未来カルテ、各自治体の2040年の数値どうなっているか)・多様な連携・技術活用(特に情報技術)

今から対策を立てないと4割の自治体において維持が難しくなるという指摘あり。学校統合、病院の統合、住宅地、労働人口、農業等、20年後の近未来どのような姿なのか未来カルテの活用。

☆総人口の推移:2015年人口のピーク12,709万人、出生高位の場合2040年11,374万人、2065年9,490万人、出生中位の場合:2040年11,092万人、2065年8,808万人、出生低位の場合2040年10,833万人、2065年8,213万人となる見込みである。

☆年齢3区分別人口割合の推移:0~14歳の割合2040年10.8%、2065年10.2%、15~64歳の場合2040年53.9%、2065年51.4%、65歳以上2040年35.3%、2040年38.4%全体の約4割が65歳以上となり、労働力不足と年金の受給者が多くなる。

 ☆東京一極集中と人口減少地域の増加

○人口流入によって東京圏に人口が集中。国際的にも、首都圏への人口集中の度合いが強い。

○一方、2050年には、全国の約半数の地域で人口が50%以上減少し、うち2割では無居住化。

○東京圏では、急速な高齢化が起こっている。人口は増えているが、福祉を受ける人口も増えている。首都圏への人口集中は欧米と比較してもその割合が高い。なぜ日本では首都圏に人口が集中するのか⇒財政構造が中央集権的になっているからである。国が税金をまとめて地方に分配している。全国の生活水中が一定になるよう、地域が平等に発展できるようにしている。人やお金、意思決定(政治・経済の中心)が中央に集中している。ナショナルミニマム。

 

 ☆就業者数の推移と見通し(産業別)

○2030年に向けて、「医療・福祉」及び「情報通信業」のみが増加し、その他の産業は減少する見込み。

○2030年には、「製造業」が「医療・福祉」と同水準になると見込まれる。

第一次産業の時代は、人々はごはんが食べられるところ(農業・林業・水産業など)に住んでいた。国が発展してくると第二産業(モノづくり、製造業、建設業、工場勤務)に移り急激な人口の増と経済成長が起こった。そして第三次産業へと移り先進国においては人口の7~8割で第三次産業(その他のサービス業、医療、福祉など)を担っている。つまり、商店や交通、医療などは人がいないと商売にならない、人がいないとサービスができない。人の移動や集中する理由には経済・産業の構造の変化がある。好景気ほど人は都市部に流出する。地方に都市圏を分散させるのが一番良いとのことであった。しかしそれでも地方の大都市か地域都市に人口が集中させるだけとも言える。また、女性は販売や飲食の仕事について働いていることが多い(女性の仕事のほとんどが第三次産業)。

 ☆2040年頃を展望した社会保障改革の新たな局面と課題

○人口構造の推移を見ると、2025年以降「高齢者の急増」から「現役世代の急減」に局面が変化。新たな局面における課題への対応が必要。

○国民的な議論の下、これまで進めてきた給付と負担の見直し等による社会保障の持続可能性の確保も図りつつ、新たな局面に対応した政策課題を踏まえて、総合的に改革を推進

⇒1.現役世代の人口が急減する中での社会の活力維持向上→高齢者をはじめとして多様な就労・社会参加を促進し、社会全体の活力を維持していく基盤として、2040年までに3年以上健康寿命を延伸することを目指す。

⇒2.労働力の制約が強まる中での医療・介護サービスの確保→テクノロジーの活用等により、2040年時点において必要とされるサービスが適切に確保される水準の医療・介護サービスの生産性の向上を目指す。

※医療分野:ICT、AI、ロボットの活用で業務代替が可能と考えられるものが5%程度。(「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」結果から抽出)

※介護分野:特別養護老人ホームでは、平均では入所者2人に対し介護職員等が1人程度の配置となっているが、ICT等の活用により2.7人に対し1人程度の配置で運営を行っている施設あり。

○論点として、外国人労働者を入れるか。

外国人を入れると社会福祉が大変になるという課題。日本の福祉システムが壊れることになるかもしれない。社会保険への加入どうなる。また、生活習慣の違い。文化的な摩擦。町内会でどうやっていくか。ゴミ出し。騒音問題。地域によっては学校のクラスの1/4が外国人というところもある。東京は若者が増えているが、外国人の若者が増えているということが実態にある。外国人が日本企業で働くことの言葉の壁。日本人同士で通じていた曖昧な日本語の指示から、ビジネスで使う国際的な日本語のあり方が求められる。

☆公立小・中学校の数と児童生徒数の推移

○小学校:平成元年度24,608校、約950万人、平成20年度22,197校、約700万人、平成30年度19,591校、約631万人

○中学校:平成元年度10,578校、約539万人、平成20年度10,104校、約330万人、平成30年度9,421校、約298万人

さらに教育に便利な都市部に集まる傾向にある。

☆空き地・空き家の状況

○全国の空き地は増加傾向、特に過去10年間で空き地面積は約2割増。

○直近の空き家総数(=広義の空き家数)は846万戸(H30)で、過去20年で約1.5倍に増加(576万戸→846万戸)

これまで市街地(人が住んでいるエリア)を広げていっていたが、人口が減り古い市街地は捨てられていく。虫食い状態で散らばって住む→インフラ(特に水道)・交通にとっては大問題。経産省はコンパクトシティを掲げる。国交省は今まで基盤整備をして都市機能を増やし発展させていくことをしていた→これからは都市の中で快適に住んで誇りが持てるまちづくりへ。ウォーカブルシティ。歩いて散歩でき買い物や病院に行くことができる。中心市街地に人を集めて住むという考え。

 ☆地域の状況に関する将来推計データの作成事例

○未来カルテ:全市町村について、各種統計データを用いて、現在の人口減少・高齢化傾向が継続した場合の2040年の人口や産業、保育、教育、医療・介護、公有施設・道路、財政等の地域の状況を予測した結果を示すもの。プログラムが公開されており、無料でダウンロードが可能。全国、都道府県、人口集中市町村、過疎市町村の集計版により、全国的な課題の把握も可能。

○具体的な事例として、新潟市地域カルテと札幌市戦略的地域カルテについての紹介。

○未来カルテを学校教育の教材として使用。地域の未来予測をグラフ等で視覚化し、将来このようにならないためにどうするか教材として主権者教育とセットで使っているとのこと。

 

  • 地方自治におけるIT・AI活用法を考える

○「守り」の活用と「攻め」の活用

  • ITやAI活用による業務効率化

・事務の統合化と標準化(自治体がやっている事務はどこも同じようなこと→今まで自治体それぞれでやっていたことを広域的に標準化・共有化する。クラウドの活用。)

・自治体のリソース(人材・資金・協力)の確保、職員教育、働き方改革

・効果的に効率化できる業務の選択、多様な支援の必要性

・RPA導入(一つ一つ人が判断するのではなくプログラムして自動的に組んでいく。事務の効率化)、保育園のマッチング(AIというほどではないが、点数化してコンピュータで瞬時に最適な組み合わせにあるよう自動的に割り振る)、ふるさと納税業務等

  • ITやAI活用による地域・経済・政治の活性化

・観光事業におけるAI技術の導入

・遠隔地の医療・教育・交通のサポート

・住民同士の共助の仕組みをスマート化

・オープンデータの防災活用

  • 取り組みの方向性:技術活用

・「Society5.0」「5G」時代の地方行政・地域支援、スマート化

2030年に実現したい未来の姿として事例紹介。

例:①自治体→どこでも手続き。家でもいろんな手続きができるようになる。24時間ネット受付。

②健康医療→どこでもドクター。遠隔医療。家に居ながらにして医療受けられる。24時間見守り。予防、早期発見、治療へ。

③ツーリズム→時空メガネ。顔認証でチャックイン。ARで好きな時代を再現。音や香りなども再現することでより感動的な体験に。

④公共交通→クルマヒコーキ。自動運転の空陸両用タクシーが過疎地や高齢者の交通手段となる。

⑤防災→あちこち電力。災害に対して過去のデータを蓄積させて活用。

⑥コミュニティ通貨→コイニティの利用。地域ポイント。ブロックチェーン化。地域通貨。

◎攻めの活用を考える。高齢化や人口減少に対して技術を使って弱くなっていく部分をどうカバーするか。技術で何とか埋められないかを考える。

  • 2040年頃までの自治体行政の課題①

これまでの地方行革により職員数は減少。合併により自治体の数が減り、公務員数が減ったが、仕事量は減っていない。→RPAの実証実験、導入へ

☆RPAの導入により、異なるシステム・ソフト間の作業を自動化。職員は別の業務に時間を充てることができ、時間外勤務の縮減による「働き方改革」につながる。

 

周南市では、山口市・宇部市・岩国市とともに4市でのPRA導入を進めている。これは、人口規模がほぼ同程度の4市において、税務業務・内部管理業務を対象にRPA等を活用した事務の効率化・改善を検討するものである。

ロボットによる作業の推進と人による対応を分業することで、限られた資源を有効に活用できると考える。よりスピード感を持って推進されることを望む。

未来カルテの活用も有効であると考える。学校教育の教材としても活用できないか検討したい。より具体的に、根拠を持って様々な角度から物事を考えられる力が育まれることを期待する。

「Society5.0」「5G」時代の地方行政・地域支援、スマート化を考えるにあたり、これらの技術が社会に実装されるには様々な課題があると考える。その一つに、自動運転化を進めるにあたり地図や番地の整理、地籍調査の必要性が出てくると考える。本市において、地籍調査は合併前の昭和36年から実施しているが、今なお、全体の進捗率は17.2%である。残り全部を終えるのにあと500年くらいかかるような事業である。これまでは、登記をするため、個人の財産権のため、という意味合いが強かったと思うが、市としてスマートシティの構築を目指すのであれば、地籍データはもっとまちづくりのベースとなるものであるという点を意識して事業を進めていく必要があるのではないかと考える。地籍成果のGIS(地理情報システム)への活用のことはもちろんであるが、これからドローン宅配や自動走行を社会実装する上で、地籍のデータ、土地の境界のデータがないと進まないと考える。パブリックな空間の上を飛ばすのか、走るのか、民間の上を飛ばすときはどのような契約になるのか、など境界のデータが必要となる。物流業界の人手不足が深刻化する中、ドローンの活用や自動走行へ向けた取組は各地で広がっている。今後、境界データは非常に必要性の高いものとなると考える。そのため、市としても地籍調査は権利関係でも慎重にあつかわなければないないこと、そのため時間がかかると思うが、地籍データの活用の可能性を全庁的に整理し、もっと効率的に迅速に進められるよう、検討する必要があると考える。

スマート化を推進するにあたり、全庁的なデータ活用の整理を求めたい。

また、このたびの研修では実際にRPA体験のセミナーも実施された。具体的にどのような作業でソフトウエアロボットの作業が行われるのかを自ら入力作業をすることで理解することができた。

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